@動画 > 科学・技術 > そもそも日本の火山活動活発化で富士山は大丈夫なのだろうか?/そもそも総研

そもそも日本の火山活動活発化で富士山は大丈夫なのだろうか?/そもそも総研

2015年5月14日に放送された、そもそも総研「続いて玉川さんは、「そもそも日本の火山活動活発化で富士山は大丈夫なのだろうか?」を紹介します。

(所要時間:約17分)

そもそも総研のコーナーは、「1時間13分40秒あたり」から始まります。
  (再生ボタンを押した後、スライドバーをご自身で調節してからご覧下さい。)

動画の内容
富士山と箱根山は直線距離で約25km

▶ 近い距離にある箱根山と富士山の関係は?

神奈川県の「箱根山」で火山活動が活発化し、噴火への警戒が続いていますが、そこからわずか25kmほどしか離れていない「富士山」は大丈夫なのでしょうか? そんな疑問を抱いた玉川徹さんは、地震や火山に詳しい「武蔵野学院大学」の島村英紀(しまむら・ひでき)特任教授にお話を伺いました。

玉川さんたちがやって来たのは、静岡県御殿場市の「富士山 樹空の森」内にある「天空シアター」です。今回はこちらにある、富士山の大きなジオラマを使って、島村特任教授に詳しい解説をしていただきました。

島村特任教授によれば「富士山と箱根山は深い関係にある」のだそうです。「富士や箱根のエリアというのは、およそ100万年前に“小さな島”が“大きな日本”とぶつかって現在の伊豆半島になった際の“継ぎ目”の部分。ぶつかった際に地下で生まれたマグマが噴き上がる現象(=噴火)を何べんも繰り返しながら富士山や箱根山が形成されていった」と島村特任教授は語ります。つまり、2つの山は「ほぼ同時期に生まれた“きょうだい”」なのだそうです。

じつは箱根山もかつては富士山に匹敵する「3000m級の山」だったといいます。それが約3000年前に上の半分が吹き飛んで、現在の「およそ1400m」になったのだそうです。

「両山が同じ成り立ちをしている」となると、箱根山で起こっていることは富士山でも起こり得るのでしょうか? 「それは科学的にはあり得ないことではない」と島村特任教授はおっしゃいます。「現在の科学ではまだ地下のマグマを正確に見る方法はないが、近い距離にある両山のマグマが地下でつながっている可能性はある」というのです。

▶ 大地震と火山噴火には関連性がある?

続いて玉川さんは、「火山噴火予知連絡会」の会長も務める、「東京大学」の藤井敏嗣(ふじい・としつぐ)名誉教授を訪問し、「地震と噴火の関係性」について伺いました。「世界的に見て、マニグチュード9に達する地震が起こると、その周辺1000km地域で火山が噴火するのが普通」と藤井名誉教授はおっしゃいます。

「西暦869年に、2011年の震災とほぼ同じ地域で“貞観(じょうがん)地震”という同規模の地震が起きたが、その少し前に中越地方で大地震が起きている。さらに貞観地震の18年後には、現在の東海・東南海・南海エリアでも大きな地震があった。そして、じつは貞観地震の5年前には富士山の噴火が起こっている」と藤井名誉教授は教えてくださいました。

富士山の噴火は「地震の後」で起きたこともあるといいます。1707年の「宝永の噴火」の際は、49日前に「宝永の大地震」が起きているそうです。このケースは、多くの火山研究者が「地震に刺激されて噴火が起こった」と考えているそうです。

「火山噴火を誘発する」と見られている「マグニチュード9以上の地震」。先に挙げた「貞観地震」も「東日本大震災」もそのクラスなのだそうです。「東日本大震災の影響で日本中の火山活動が活発化する可能性はあると考えている。箱根山が噴火するか否かに関係なく、富士山は将来的に必ず噴火すると思っています」と藤井名誉教授おっしゃっていました。

今回、2人の専門家から貴重なお話を伺った玉川さんは「科学は火山と地震のすべてを知っているわけではない」という現実を踏まえて、「“無知の知”(=自分たちは何も知らないのだ、と自覚すること)を前提とした謙虚な行動」をとることが重要である、という結論に達したのだといいます。

引用元:そもそも総研

@動画 > 科学・技術 > そもそも日本の火山活動活発化で富士山は大丈夫なのだろうか?/そもそも総研

▲このページの先頭へ