重症患者たちの「私は死ぬのでしょうか?」という質問に真実を答えるようにした経緯と、死を悟った人たちが見せる3つのパターンについて/マシュー・オライリー
救命救急医療・技術者のマシュー・オライリー氏が、重症患者たちの「私は死ぬのでしょうか?」という質問に対して嘘をつくのを止めて真実を答えるようにした経緯と、死を悟った人たちが見せる3つのパターンについて語っています。
(所要時間:約6分)
動画の内容 (全文書き起こし)
これまで 7年間 ニューヨークのサフォーク・カウンティで 救急救命士として働いてきました 自動車事故から ハリケーン・サンディの大災害まで 緊急隊員としての経験も数多くあります
大抵の人にとって 死ぬこととは 最も怖い体験だと思います 死を予期できる人も できない人もいます あまり知られていない医療用語に 突然おとずれる悲運を意味する インペンディング・ドゥームという言葉があります これはもう症状のようなものです 私は医療従事者として 様々な症状に 対応できるよう普段から訓練されていますから 心臓発作の患者が僕の目を見て 「私は今日死ぬんですよね」と言ったとしても 患者の状態を再評価できるよう 訓練されているのです
クリティカルケアの仕事を通して この患者はあと数分しかもたないという場面に 居合わせたことが何度もあります そういうとき 本当に何も手の施しようがないんです そんなとき向き合わなければならないのは 本人に自分が死ぬんだということを告げるべきか それとも嘘をついて慰めを言ってあげるべきか というジレンマです この仕事をやり始めて間もない頃 私は単純に嘘をつくことを選んでいました それは怖かったからです 本当のことを伝えたら その人は恐怖のなかで死ぬことになるだろうと 怖くて仕方がない状態で 人生の終わりを迎えることになると
ところがある出来事を通して すべてが変わりました 5年前 バイク事故の対応をした時のことです バイクに乗っていた人は致命傷を負っていました その患者を診たとき 何をどうしたとしても 助けることはできないことは明白でした それまでの患者と同じように その人も私の目を見て 「僕は死ぬんでしょうか?」と訊きました これまでとは違う選択をしよう その瞬間 真実を伝えようと思いました
彼がこれから死ぬんだということを そして私にはどうすることもできないことを 伝えることにしたんです 彼の反応に私は大変ショックを受けました そのことは今でも忘れられません 彼は安らかに 自分の死を受け入れたという顔つきでした 私が想像していたような恐怖や不安は 彼の表情には存在しなかったのです ただ静かに横たわる彼の目を見たとき 心の平安と運命を受け入れているのだ ということが理解できました
その瞬間私は決心しました 嘘をついて慰めようとするのは 私がすべきことではないと それからも 患者の命の最期の瞬間に 何度も立ち会いましたが ほとんどの場合先ほどと同様に 施す手はありませんでしたが どの人も真実を伝えると同じように反応しました そこにあったのは 心の平安と運命の受容でした これまで数多くこういう場面を経験してきて パターンが三つあることに気付きました
いつ遭遇してもショックを受けてしまう 一つ目のパターンが 宗教とか文化的な背景に関係なく 許しを乞う というパターン 人によって罪と認識していたり 後悔だったりしますが 罪悪感というのは全世界共通のものなんです かつて年配の男性をケアしました 大変深刻な心臓発作でした 今にも心停止するかという状況で 私も覚悟して機器の準備を進めました そして その瞬間が すぐそこまで来ていることを告げました すると彼は私の声のトーンや 身振りからすでに察していたのです 胸に除細動器のパッドを当てて 迫りくる瞬間に備えていたとき 彼は私の目を見てこう言いました 「もっと子供たちや孫たちと過ごせばよかった 自分のために時間を使いすぎた」 と 死の瞬間を目前にして 彼が求めたものは 許し でした
次に 二つ目のパターンですが 二つ目は 忘れないでほしい という願いです 私の思いの中や 愛する人々の思いの中で 人は決して滅びることはないということを 愛する人々の心の中や思いの中に それこそ 私やスタッフ 周りにいる人なら誰でもいいから 自分はこれからもずっと誰かの心の中に 生き続けることを確信したいのです 数え切れないくらいの多くの患者から 僕のじっと目を見て 「私のことを忘れないでほしい」と言われました
最後に三つ目のパターンです 毎回 私の心にずっしりと重くのしかかる 魂に深く響くパターンなのですが 死に際に彼らがどうしても知りたいこととは それは彼らの人生には意味があり けっして無駄に人生を過ごしたのではない 決して意味のないことに 一生を費やしたのではないということなのです
この仕事を始めたばかりの早い時期に 電話で駆けつけた ある案件がありました 交通事故で車が高速で激突したため 体が車の中で がんじがらめ になっていました 絶体絶命の状況でした 消防隊が駆けつけて 体を車から出す作業を始めてから 私はなんとか処置をしようと 車によじ登りました その時車の中の彼女が言いました 「もっともっと生きているうちに やりたいことが一杯あったのに」 自分が生きていたという証を残せなかったと 彼女は感じたのです 話を続けるうちに彼女には 二人 養子の子どもがいて 二人とも もうすぐ医大に進学する予定である ということがわかりました この二人の子どもは 彼女がいなかったら決して 手にすることができなかったチャンスを 彼女のおかげで手に入れることができた そして医者になって人の命を助けるために 医学の道へ進むことにしたのです 彼女を車から助け出そうと力を尽くしましたが それがかなわぬうちに 彼女は息絶えました
いろいろな映画で目にする人の最期は 恐怖や不安ばかりなので 死ぬ瞬間とはそういうものなのだと思っていました しかし 状況がどうであれ その人の最期という ほんの短い時間の中で やってあげられる本当に小さなこと その人を安心させてあげるという 取るに足らないような小さなことこそ 人の最期に平安と運命の受容を もたらすのだ と思い知ったのです
ありがとうございました
(拍手)
引用元:TED




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