@動画 > 歴史・人物 > 「砂川判決」は自衛隊の存在自体についてさえ「何ら判断していなかった」ことが最高裁判事のメモから判明。つまり集団的自衛権は「想定せず」/報道ステーション

「砂川判決」は自衛隊の存在自体についてさえ「何ら判断していなかった」ことが最高裁判事のメモから判明。つまり集団的自衛権は「想定せず」/報道ステーション

2015年9月14日に放送された、報道ステーション「記された“砂川判決”の意味 最高裁判事のメモ発見」を紹介します。

(所要時間:約21分)

動画の内容
「自衛のための措置をとりうる」とまでいうが、「自衛の為に必要な武力、自衛施設をもってよい」とまでは云わない。

おととい(※2015年9月12日)私たちは、都内のある家を目指していた。砂川裁判の判事たちが、当時何を考えていたのか?、その手がかりを得るためだ。

この3ヶ月、私たちは「砂川判決」を出した最高裁判事15人の親族を探し回った。そしてようやく、ひとりの人物に行き当たった。

テレビカメラが初めて入る書斎。棚に並んでいるのは、戦後、最高裁判所が判断した数々の判例集だ。この書斎の主(あるじ)だったのは、砂川事件判決の最高裁判事、入江俊郎(いりえとしお)氏。

入江氏は戦後、法制局の中心人物として日本国憲法作成にたずさわり、その後、51歳の若さで最高裁判事に就任した。以来、もっとも長く最高裁判事をつとめ、砂川事件をはじめ、数多くの憲法裁判に関わってきた。

私たちは本棚から砂川判決の判例を見つけた。ページをめくると、判決文の上の余白に文字が書かれていた。

メモが書かれたのは昭和37年。砂川判決から3年後だ。何が書かれているのか?

入江俊郎(いりえとしお)元最高裁判事のメモ

他国への安全保障を求めてもよく、この結果としてアメリカ駐留軍がいても、それはわが戦力ではないということを明らかにした。

アメリカ軍の駐留が合憲か否かを争われた砂川裁判。このメモは、判決にどんな意味を込めたのか、入江判事 自らが解説するものだった。

中でも鍵をにぎるのは、このくだりだ。

入江俊郎(いりえとしお)元最高裁判事のメモ

「自衛のための措置をとりうる」とまでいうが、「自衛の為に必要な武力、自衛施設をもってよい」とまでは云わない。

政府与党は、砂川判決が認める「必要な自衛のための措置」の中に、自衛隊が他国を防衛できる集団的自衛権の行使も理論上含まれているとしている。しかし、その文言の真上に、入江氏が記していたのが、先ほどの言葉だったのだ。

つまり、必要な武力や施設といった、「自衛隊」の存在自体について、砂川判決は何ら判断していなかったと、入江氏は書き残しているのだ。

さらに、自衛隊の規模や範囲などについても…

入江俊郎(いりえとしお)元最高裁判事のメモ

自衛の手段は持ちうる。それまでは云っていると解してよい。

ただそれが、(憲法9条)2項の戦力の程度にあってもよいのか、又は それに至らない程度ならよいというのかについては、全々触れていないとみるべきであらう

判決では、戦力の不保持をうたった憲法9条第2項と自衛隊の関係についてもまったく触れていないというのだ。

そもそも「自衛隊自体の存在にさえ踏み込んでいない」という砂川判決。判決が出た1959年は、自衛隊が発足してわずか5年。武器や装備を米軍の払い下げでまかなっていたほど米軍に頼りきっていた時代だ。

それなのに、「集団的自衛権の行使まで射程にいれていた」などということが、ありうるのだろうか?

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