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ウェブのための大憲章/ティム・バーナーズ=リー

25年前(※1989年)にWWWを開発したティム・バーナーズ=リー氏が、侵されるネットの中立性、フィルターバブル、企業による集中的なコントロール、これらすべてがウェブの広く開かれた空間を脅かしていると警告し、25周年の今年、ウェブ上の権利の宣言=「ウェブのための大憲章」をクラウドソーシングしようと訴えています。

(所要時間:約7分)

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動画の内容 (全文書き起こし)
ティム・バーナーズ=リー 「私たちが決めてはどうでしょう?」

TEDが始まって30年 World Wide Webは今月で25周年を迎えました そこで皆さんに問いかけたいのです これまでの道のりと 未来のことを話しましょう 現状の話をしましょう 理想のウェブについて話しましょう

25年前 私はCERNで働いていました 1年経ってやっと許可を得て サイドプロジェクトを始めました 私がコードを書きました たぶん私が初の利用者です あまりに複雑なので 誰も使わないのではという 不安がありましたが 説得して回ったり 周囲から素晴らしい協力を得て 徐々に軌道に乗り始めました 最高の気分でした 数年後の2000年には 世界人口の5%が World Wide Webを利用していました さらに7年後 2007年には17%になりました 2008年 World Wide Web財団を設立 その数字を見て心配になったのです そして2014年現在 世界人口の40%が World Wide Webを利用し その数は増加中です 確かに増えています

そこで皆さんに考えて欲しいのは 表と裏 両方の側面です ここ TEDに集まった人なら誰でも 残りの60%が出来るだけ早くウェブを利用できるようにするには どうしたらよいかを問うでしょう 大切なことが多くあります きっとモバイルが中心になるでしょう 同時に 40%という数も考えてください なぜなら ここにいる ウェブを使って暮らす皆さんは もう何も覚えないし ただネットで調べて ウェブは成功だと思って 安心してしまうかも 知れないからです

確かに成功していて いろいろなものがあります カーンアカデミーや ウィキペディアだってあります 無料で読めるオンライン書籍も大量にあります 多くの教育に役立つ優れたものや 様々な分野のものがあります オンライン商取引によって 商業のやり方は 一部でがらりと変わり 以前は想像もできなかった様々な取引が可能になっています 商業はほぼ全面的に影響を受けています 全面的とまではいかなくとも 政府も大きな影響を受けていて 大量のオープンデータ たくさんの電子政府 そして目に見えるいろいろなことがウェブ上で起きています

見えにくいことも たくさん起きています 医療です もし夜遅くに 大切な人がどんなガンにかかっている可能性があるか不安になっても そんな時は 他の国の気にかけてくれる人にネット上で話をすればいいんです こういう出来事は外の世界ではあり得ません そこにはある程度 プライバシーもあります でもウェブを利用する時 それがある面で 透明で中立的なメディアだと妄信することはできません 今 実際に起きていることを気にせずに 議論することもできるでしょう ウェブが監視されるだけでなく データを悪用しかねない人々によって 監視されることを無視して議論することもできます

でも私たちは気付いています ウェブを利用するだけでなく あらゆるものの根底にある インフラを気にする必要があるはずです 「必要な質を備えているか」を問わなければなりません 私たちは素晴らしい言論の自由を享受しています ツイートできるし 膨大な人々がそれを読めます ただ例外は その国でTwitterがブロックされている場合や 私たちの自己表現の方法や 自分達の現状や 住む国の状況に関する情報を 他の人々が利用できなくなっている場合です だから抗議運動をして検閲をなくすようにすべきです 検閲がある場合には開かれたウェブを目指すべきです

開かれたウェブは素晴らしい そうなれば誰とでもおしゃべりができます 自分が誰かなんて関係ありません さらに私たちは 巨大SNS企業に組み込まれています それはまるで貯蔵庫のようになっていて 他のサービスの利用者よりも 同じSNSの利用者とはるかに簡単に話すことができます 結局私たちは自分を制限しているのです 「フィルターバブル」について読んだ人もいるでしょう

フィルターバブル現象とは何か? 私たちはコンピュータを使って 気に入ったものを探すのが好きですよね クリックしたいものに囲まれれば 私たちは大喜びです だからプログラムは自動的に私たちが気に入るものだけを提供するようになり 私たちはバラ色の世界に囲まれます これがフィルターバブル現象です ここにも私たちが得たウェブ社会を脅かす危険があるのです

皆さんはどんなウェブが理想ですか? 細分化されていないウェブが私の理想です 最近の情報監視に対抗して 細分化が必要だと考える国もあるようですが 私が理想とするウェブの例を挙げるとすれば 民主化のとても良い基盤になること 保健医療で利用でき プライバシーが確保され 多くの健康 医療データが保管され 科学者の研究に役立つようになること 残りの60%の人が出来る限り早くウェブを使えるようになること 革新への強力な基礎となって なにか厄介な出来事 たとえば災害が起きた時に迅速に対応できるようなウェブがほしいのです

これは一例にすぎません 望みは当然もっとたくさんあります あなたにもあるはずです この25周年をきっかけに 皆さんには理想のウェブを考えて欲しいのです

webat25.orgに アクセスするとリンクがあります

そこにある多くのサイトで 「大憲章」を編成し始めています ウェブ上の権利の宣言です 私たちもやってみては? 私たちが決めてはどうでしょう? これが基本的な権利 話したい人と話せる権利になります 皆さんは大憲章に何を入れますか? ウェブのための大憲章をクラウドソーシングしましょう 今年それをやりましょう 25周年記念を力にして みんなで ウェブ上で大憲章を作りましょう

(拍手)

ありがとう 皆さんにお願いします 私に力を貸してください ありがとう

(拍手)

引用元:TED

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