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チャップリンの「史上最高のスピーチ」(日本語字幕)

この動画は、1940年に上映された 映画 『独裁者』 の中で、チャップリン演じる「ヒットラーと顔がそっくり」という設定の主人公(床屋のチャーリー)が、ヒットラーと間違われて演説をするはめになるというシーンに、現在の様々な映像を挿入し、日本語字幕を付けたものです。

(所要時間:約3分)

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チャップリン 史上最高のスピーチ

申し訳ないが、私は皇帝になどなりたくない。 

それは私には関わりのないことだ。 

支配も征服もしたくない。

できることなら皆を助けたい。

ユダヤ人も、ユダヤ人以外も、黒人も、白人も。 

私たちは皆、助け合いたいのだ。 

人間とはそういうものなんだ。 

お互いの幸福と寄り添って生きたいのだ…。 

お互いの不幸ではなく。

憎み合ったり、見下し合ったりなどしたくないのだ。

この世界には、全人類が暮らせるだけの場所があり、大地は豊かで、皆に恵みを与えてくれる。 

人生の生き方は自由で美しい。 

しかし、私たちは生き方を見失ってしまった。 

欲が人の魂を毒し、

憎しみと共に世界を閉鎖し、

不幸、惨劇へと私たちを行進させた。

私たちはスピードを開発し、

自分たち自身を孤立させた。

ゆとりを与えてくれる機械により、

貧困を作り上げてしまった。

知識は私たちを皮肉にし、

知恵は私たちを冷たく、無情にした。

私たちは考え過ぎで、感じなさ過ぎる。 

機械よりも、人類愛が必要なのだ。 

賢さよりも、優しさや、思いやりが必要なのだ。 

そういう感性なしでは、

世の中は暴力で満ち、

全てが失われてしまう。

飛行機やラジオが、私たちの距離を縮めてくれた。 

そんな発明の本質は、人間の良心に呼びかけ、

世界がひとつになることを呼びかける。

今も、私の声は世界中の何百万人もの人々のもとに届いている。

何百万もの絶望した男性達、女性達、小さな子供達。

人々を苦しめる組織の犠牲者たち。

罪のない人達を投獄させる者達。

私の声が聞こえる人達に言う…、

絶望してはいけない。

私たちに覆いかぶさる不幸は、

単に過ぎ去る欲であり、

人間の進歩を恐れる者達の憎悪(ぞうお)なのだ。 

憎しみは消え去り、独裁者たちは死に絶えるであろう。

人々から奪いとられた権力は、人々のもとに返されるだろう。 

決して、人間が永遠に生きないように、

決して、自由が滅びることもない。

兵士たちよ、獣たちに身を託してはいけない。 

君たちを見下し、奴隷にし、人生を操る者たちは、

君たちが何をし、何を考え、何を感じるかを指図する。

そして君たちを鍛え、食事を制限する者たちは、

君たちを家畜として、ただのコマとして扱うのだ。

身を託してはいけない。

そんな自然に反する者たちなどに。

機械人間たちよ、

機械のマインド、機械の心を持つ者たちよ、 

君たちは機械じゃない。 

君たちは家畜じゃない。 

君たちは人間だ。 

心に人類愛を持った人間だ。 

憎んではいけない。 

愛されない者が憎むのだ。 

愛されず、自然に反する者だけだ。 

兵士よ、奴隷を作るために闘うな!

自由のために闘え!

『ルカによる福音書』の17章に、

「神の国は人間の中にある」と書かれてある。 

一人の人間ではなく、

一部の人間でもなく、

全ての人間の中なのだ。 

君たちの中になんだ。

君たち、人々は力を持っているんだ。

機械を作り上げる力、

幸福を作る力を持っているんだ。

君たち、人々が持つ力が、

人生を自由に、美しくし、

人生を素晴らしい冒険にするのだ。

民主国家の名のもとに、その力を使おうではないか。 

皆でひとつになろう。 

新しい世界のために闘おう。

常識ある世界のために。

皆に雇用の機会が与えられ、君たちに未来が与えられ、

老後に安定を与えてくれる世界のために。

そんな約束をして、獣たちも権力を伸ばしてきた。

しかし、奴らは嘘つきだ。 

奴らは約束を果たさない。 

これからも果たしはしない。 

独裁者たちは自分たちを自由にし、人々を奴隷にする。 

今こそ、闘おう。 

約束を実現させるために。

闘おう。

世界を自由にするために。

国境のバリアを失くすために。

欲望を失くし、嫌悪と苦難を失くすために。

理性のある世界のために闘おう。

科学と進歩が全人類の幸福へ導いてくれる世界のために。

兵士たちよ、民主国家の名のもとに、皆でひとつになろう!

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