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本人と読み直す『村山談話』/週刊BS-TBS報道部

2013年8月18日に放送された、週刊BS-TBS報道部 <68年目の夏、何を語り残すのか> 「本人と読み直す『村山談話』」を紹介します。

(所要時間:約41分)

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『村山談話』 全文
村山富市(むらやま とみいち) 元首相

先の大戦が終わりを告げてから 50年の歳月が流れました

今あらためて あの戦争によって犠牲となられた

内外の多くの人々に 思いを馳せるとき

万感胸に迫るものがあります

敗戦後 日本は あの焼け野原から幾多の困難を乗りこえて

今日の平和と繁栄を築いてまいりました

このことは 私たちの誇りであり

そのために注がれた 国民の皆様1人1人の英知と たゆみない努力に

私は心から敬意の念を表すものであります

ここに至るまで 米国をはじめ 世界の国々から寄せられた支援と協力に対し

あらためて深甚な謝意を表明いたします

また アジア太平洋近隣諸国 米国 さらには欧州諸国との間に

今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを

心から喜びたいと思います

平和で豊かな日本となった今日

私たちはややもすれば この平和の尊さ 有難さを忘れがちになります

私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう

戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません

とくに近隣諸国の人々と手を携えて

アジア太平洋地域 ひいては世界の平和を

確かなものとしていくためには

なによりも これらの諸国との間に

深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます

政府は この考えにもとづき

特に近現代における 日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる

歴史研究を支援し

各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために

この2つを柱とした 平和友好交流事業を展開しております

また 現在取り組んでいる戦後処理問題についても

わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため

私は ひき続き 誠実に対応してまいります

いま 戦後50周年の節目に当たり われわれが銘記すべきことは

来し方を訪ねて 歴史の教訓に学び 未来を望んで

人類社会の平和と繁栄への道を 誤らないことであります

わが国は 遠くない過去の一時期

国策を誤り 戦争への道を歩んで 国民を存亡の危機に陥れ

植民地支配と侵略によって多くの国々

とりわけアジア諸国の人々に対して 多大の損害と苦痛を与えました

私は 未来に誤ち無からしめんとするが故に

疑うべくもない この歴史の事実を謙虚に受け止め

ここにあらためて 痛切な反省の意を表し

心からのお詫びの気持ちを表明いたします

また この歴史がもたらした 内外すべての犠牲者に

深い哀悼の念を捧げます

敗戦の日から50周年を迎えた今日

わが国は深い反省に立ち

独善的なナショナリズムを排し

責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し

それを通じて 平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません

同時に わが国は唯一の被爆国としての体験を踏まえて

核兵器の究極の廃絶を目指し

核不拡散体制の強化など

国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります

これこそ 過去に対するつぐないとなり

犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると

私は信じております

「杖るは信に如くは莫し」と申します

この記念すべき時に当たり 信義を施政の根幹とすることを内外に表明し

私の誓いの言葉といたします

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