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“徴兵制になる前に確実に反対するべき”/徴兵を拒否してフランスへ亡命中の韓国男性 イ・イェダ氏の記者会見

2014年9月19日に日本外国特派員協会で行われた、徴兵を拒否してフランスへ亡命した元韓国籍の男性:イ・イェダ氏による記者会見を紹介します。

(所要時間:約6分)

動画の内容
イ・イェダ氏

こんにちは。私は韓国で1991年に生まれました。今22歳です。2012年7月、20歳のときに徴兵がいやで亡命を決意し、フランスに旅立ちました。日本円で6万円程度のお金を持って、片道切符でした。フランス語もできませんでした。

難民申請を支援してくれる団体を探し、ホームレスのシェルターで寝泊まりしたりしながら難民認定されるのを待ちました。そして2013年6月、フランス政府に難民認定されました。

それまで徴兵拒否で亡命した韓国人は他にもいましたが、徴兵制度そのものが亡命の理由として認められたのは僕が初めてです。他の方々は性的マイノリティだったり、宗教上の理由から徴兵が難しいとう理由で亡命が認められました。

僕は今、パリでベーグル職人として働いています。

僕がなぜ亡命したのか、皆様にお話します。僕は中学生の時に手塚治虫のブッダを読んでから、自分は人を殺すことはしないと決めました。徴兵制とは、兵士になり、人を殺すように訓練されることです。これは僕の良心と信念に矛盾するものです。

韓国では「良心的兵役拒否」は認められていません。代替服務制度もありません。応じなければ、刑務所に1年半入れられます。また、韓国社会では徴兵に行っていないと、就職が難しいという問題もあります。徴兵を拒否することは社会的な死を意味します。

韓国では、2000年ごろから徴兵拒否をする人が増えてきました。イラク戦争に韓国軍が派兵されたこともその背景にはあります。

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今年(※2014年)の4月には、徴兵された20歳の若者が、床に吐いた唾を舐めさせられるなどの陰湿ないじめを1ヶ月以上にわたり受けた果てに、先輩兵士に執拗な暴行を受けて死亡しました。6月には、徴兵された21歳の若者が銃を乱射し5名が亡くなるという事件が起きました。彼はいじめを受け、いわゆる”逆ギレ”状態で銃を乱射したそうです。軍隊内でのいじめ自殺も多く、毎日のように自殺者が出ています。そのような軍隊内の生活がどうしても嫌で入隊前に自殺する若者も少なくありません。

いじめだけでなく、軍隊生活は24時間の”奴隷制度”です。給料は日本円で月に1万円くらいです。徴兵中は携帯電話の所持も禁止され、インターネットもできず、外部との連絡も取れません。外部との接触を遮断することによって人間関係が軍隊だけになり、一層陰湿ないじめに結びつきます。

現在徴兵を拒否して刑務所にいる韓国人は約800人、全世界で兵役拒否で投獄されている人は約970人です。徴兵拒否者として投獄されている人の9割を韓国人が占めています。1945年以来、1万6000人以上のひとが刑務所に入れられてきました。

そして私の家族、友達、愛する人はみな韓国にいます。私がここで言いたいのは、亡命という極端なことをせざるを得ない現状を改善するよう韓国政府に求めたい、ということです。旅だってからの2年間、家族や友達、愛する人に会えていません。フランスに亡命した私が韓国に帰国すれば、待っているのは刑務所です。

引用元:BLOGOS

記者団との質疑応答
イ・イェダ氏

記者:日本の若者に何をいちばん訴えたいか?徴兵制ができる前に反対すべきか?代替服務制度があれば問題ないか?自身は代替服務制度についてどう思うか?

イ氏:徴兵制になる前に確実に反対するべきだと思う。もし(徴兵制導入を阻止できなければ)、国民が(軍隊を)監視できる法律を作るべきだと思う。

代替的服務制度でさえ、私は服しません。代替制度があったとしても政府の命令に従うことに代わりはない。私は韓国政府が好きではないので代替服務制度も認められない。軍隊というシステム自体に反対だ。

記者:亡命したことを後悔していないか?

イ氏:まったく後悔していない。悪い結果が出ることも考えていたが、プライドを持って生きたかった。山に入る(逃げる)ことも考えていた。

引用元:田中龍作ジャーナル

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