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よみがえる最前線 神戸と核と日米同盟

2015年7月26日に放送された、映像’15「よみがえる最前線 神戸と核と日米同盟」を紹介します。

(所要時間:約50分)

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動画の内容
よみがえる最前線 神戸と核と日米同盟

神戸はかつて日米同盟の最前線だった。戦後すぐに米軍基地が作られ、朝鮮戦争やベトナム戦争では核を搭載した空母が寄港した。

だが、40年前に神戸市会が平和な港への願いを込めて議決した非核神戸方式により、その後は米艦船は入港していない。しかし戦後70年を迎える今、神戸は岐路を迎えた。

日米両政府が軍事的な結びつきを強める中、潜水艦の製造拠点や掃海活動を担う自衛隊基地がある神戸が、後方支援拠点になる可能性は否定できない。

今後日本はどこへむかうのか、核に翻弄される神戸から検証する。

▶ 取材ディレクターより

神戸は再び日米同盟の最前線になるのか。

戦後70年を迎えたいま、日本は岐路に立たされている。安倍総理は国のあり方を決める憲法解釈を変更し、日米の軍事的な一体化を推し進めようとしている。国会で大きな論争が起きる中、このさき市民生活はどうなるのか。私たちは地元に根ざしたローカル局として港町・神戸から検証した。

いま、近畿でも日米同盟の強化に向けた既成事実が積み上げられている。

京都府の最北端に米軍レーダー基地が作られ、滋賀県での日米合同訓練にオスプレイが参加した。そして神戸では、武器輸出が解禁されここでしか建造できない潜水艦や、離島防衛の要である救難飛行艇の海外への技術提供が検討されている。機雷掃海を担う自衛隊の基地もあり海外派遣の拠点となるかもしれない。

市民生活も無縁ではない。

今年(※2015年)改定された日米防衛協力のための指針では日本の後方支援の役割が拡大され、港以外にも神戸市が震災復興の要として期待する空港や先端医療施設も有事の際に軍事利される可能性は否定できない。

戦後、神戸は米軍が世界で最も使い勝手がよいと評価してきた港で、朝鮮戦争やベトナム戦争を後方から支えた。米軍基地が作られ核兵器も持ち込まれていた。しかし1975年以後、米艦船は一隻も入港していない。それは神戸市議会が入港する艦船に非核証明書の提出を義務付ける「非核神戸方式」と呼ばれる仕組みを作ったからだ。核を作らない、持たない、持ち込ませないという非核三原則を具現化したもので、アメリカの軍事戦略を事実上制限してきた世界でも類を見ない非核政策だ。

しかし日本政府はこの政策を反米的で地方自治体の権能を超えるとして否定し、他の府県に広がる動きを封じ込めた。アメリカも見直しに向けて圧力をかけて続けてきた。

こうした動きに対し、この非核神戸方式の存続を誰よりも願うのが神戸で暮らす被爆者だ。差別を恐れ、過去を封印してきたが、今こそ非核への思いを知ってほしいと声を上げ始めた。今後日本はどんな道を歩むべきなのか。米軍と核の“最前線”となりうる、神戸の歩みから考える。

引用元:映像’15

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