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安倍さんが目指す「美しい国日本」とは?/古賀茂明(こがしげあき)氏の解説が分かりやす過ぎる!

2014年7月19日に放送された、TOKYO MX 『淳と隆の週刊リテラシー』の中から、古賀茂明(こがしげあき)氏による、安倍さんが目指す「美しい国日本」の解説を紹介します。

(所要時間:約12分)

動画の内容 (全文書き起こし)
安倍さんが目指す「美しい国日本」とは?

司会:

古賀さん、今日は何をしていただけるのかというと、こちら!

古賀茂明さん:

奈々ちゃんにもわかる 安倍さんが目指す「美しい国日本」とは?と。

奈々ちゃん:

知りたいです。安倍さんが何考えてるのか 今 知りたいですね~。

古賀茂明さん:

そうですね。先週 あの 奈々ちゃんがですね、あの 長谷川さんに まんまと騙されてしまったので、私は非常に危機感を覚えまして、それで、ちょっと もう一回 あの 整理をさせていただきたいなと思って。で、ただ これ時間が無いので、集中して聞いて下さい。僕、ブワーッてしゃべりますから。

奈々ちゃん:

はい。分かりました。

司会:

分かりました~。⑬項目ありますね。お願いします!

古賀茂明さん:

いろんな事をやってるんですね、安倍さん。で、それを 1個 1個 「賛成だ」「反対だ」とか ゴチャゴチャやっているんで、なんとなくみんなね、訳分からなくなっているんですよ。だけど、もうちょっと分かりやすくする方法があるんで、とりあえず まず こうやって並べてみました。

列強になるための“13”本の矢

で 1個ずつ見るんですけど、

① NSC法(国家安全保障会議)って、これ去年(※2013年)ね、あの 法律としてできたんです。で、これをやるとですね、どうなるか?っていうとね、普通 大事な事っていうのは閣議で決めるんですね。

閣議って10何人もいるじゃないですか、結構反対する人もいて大変なんですけど、このNSC法っていうのはですね、もう 4人の大臣で、たとえば「戦争しよう」っていうのを決めちゃうと。

4人っていうのは、「安倍総理」と「菅官房長官」と「防衛大臣」と「外務大臣」。この4人で決められるという事で、そうすると割と簡単に決められますね。そういうのが もう 作られました。

それから、② 特定秘密保護法、これも聞いたことがあるでしょ?これは要するに、「いろんな大事な秘密を、もうぜーんぶ隠したまんま、30年、60年、内緒に出来ますよ」っていう法律です。

奈々ちゃん:

怖くないですか、それ?

古賀茂明さん:

これが去年(※2013年)通っちゃったんですね。

奈々ちゃん:

こわい、こわい!

古賀茂明さん:

で、そうするとですね、何が問題かっていうと、このNSCという この 安全保障会議で、「じゃあ戦争やろう」って決めますよね。その時、「誰が何を言ったのか?」とか「どういう情報に基づいてやったのか?」というのが ぜ~んぶ 秘密になっちゃうんです。そうすると、決める人は、決める大臣は わりと気軽に決められますよね。なんてったって分からないから、あとで責任追及されないんですよ。

ていうのがあるんですね。

それから今度ね、 ③ 防衛装備移転三原則(武器輸出の解禁)、これ あの~ 読んでも分からないと思いますけど、要するにいままで日本ていうのは「武器は輸出しない」という事でやってたんですね。

それを、今回は、「武器輸出してもいい」と。特にアメリカなんかにはどんどん売りましょうと。あるいはアメリカのお友達にはどんどん売りましょうと。こういうことをやっていくという、そういう事をこの間(※2014年)4月にやりました。

それから有名な ④ 集団的自衛権の行使容認(解釈改憲)ね。

まぁ これ 一言で言えば、「アメリカと一緒に、日本が攻められていなくても、海外へ行って一緒に戦争出来ますよ」と、こういう法律ですね。

奈々ちゃん:

でもこの間長谷川さんが来た時は、すごい賛成してたんですよ。「集団的自衛権にした方が、素晴らしい日本になるよ」って言っていたので…。

古賀茂明さん:

そうそう、その時にね、たとえば「中国が強くなっているじゃないか」とか いろいろ言ってたんですけど、アメリカは中国とは戦争しません、絶対に。それやると もう アメリカもすごく損をするので。

で、アメリカが日本を連れていきたいのはどこか?というと、基本的には中東とかアフリカです。

なので中東に行くと、イラン人とかイラク人とか、結構ね 日本人の事がみんな好きなんですよ。なんでかっていうと、「日本人は戦争をしないし、いい人たちだから」。でも「アメリカ人の事は大っ嫌いだ」っていうんですね。なんでかっていうと、今までアメリカは中東でもういろんな間違った戦争をどんどんやっていたので、嫌いなんです。

そうすると日本は、せっかくね、「日本の事を好きだ」と言ってくれている国に行って、アメリカと一緒に戦争をする。そうすると、日本人はどうなるかというと、アメリカと同じように見られてテロに狙われる国になっちゃうんですね。

時間がないので、⑤ 集団安全保障、ここを飛ばして、次の ⑥ 産めよ増やせよ政策(2030年出生率2.07)

ま、要するに、「一人の女の人が二人は子どもを産んで下さいよ」っていう政策ですね。これを掲げているんですけれど、女性からみりゃ大きなお世話っていう感じなんですけど、もちろん いろんな事情で生めない人もいるし、生みたくないという人もいますから。でも、「産んでくれ」と。

何でか?というと、やっぱり国を強くするには、その~ どうしても人口が増えないとダメだと。そのためにはたくさん産んでくれないとダメだと。で、単に強くするっていうだけじゃなくて、やっぱり兵隊がね、足りなくなっちゃうんですよ、少子化で。だから兵隊をちゃんとリクルートするためにも増やしてくれと、これをやっていると。

それから次はですね、⑦ ODAの軍事利用

ODAって多分分からないと思うけれども、経済協力。日本というのは海外の途上国なんかにね、「病院作って上げますよ」「学校をつくって上げますよ」ってやっているんですね。それを、学校とか病院の代わりに「武器をあげるよ」というのに使おうと、いうのが このODAの軍事利用。これはまだ決まっていないんですけど、多分やり始めますね。

それから ⑧ 日本版のCIA創設

CIAって、ちょっと聞いたことあるでしょ、スパイ機関です。アメリカではすごい有名な機関ですけど、これを日本もつくろうと。

なんでかっていうと、野党がですね、実は自民党を批判する時に、「なんかアメリカアメリカって言ってるけどね、アメリカなんて結構ガセネタ出すじゃないか」と。だから 日本もちゃんとね、「自前で情報を持たなきゃいけないんじゃないか」って言ったら、自民党が調子に乗ってですね、「分かりました」と。「日本もCIAをつくります」と、言って議論してるんですけど、これももうちょっとしたら出てくると思います。

で、⑨ 国防軍保持規定(憲法9条改正)

ここから先はね、憲法改正なんですけど、憲法9条ってよく聞くでしょ?でも見たことないでしょ?それで、ちょっとここに出したんですけれども、これすごくいいこと書いてあるんですよ。

日本国民は云々かんぬんって書いてあるんですけど、その3行目に「国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」で、そのために、その下の方ですけれども、「陸海空軍その他の勢力はこれを保持しない」「国の交戦権はこれを認めない」。

要するに「戦争はしちゃいけませんよ」、それから「軍隊も持たないよ」と。ね、今自衛隊があるでしょ? でも自衛隊は、要するに軍隊を持たないって言ってもさすがに自分がガンガン攻撃されてる時に「何にもしません」っていうわけにいかないから、その時だけは自衛隊がやってもいいですよという事になっているんです。

そうすると普通に考えると、「軍隊持たないんじゃないの?」 あんまりね、「強い軍隊は」と、そういうふうに思うんですけど、安倍さん達はですね、いやいや これを変えてですね、「こういうのにしましょう」と言っていて、ま、いろんなことが書いてあるんですけど、要は「9条の2」という この下の方を見てもらうとですね、「我が国の平和と独立ならびに国及び国民の安全を確保するために、国防軍を保持する」っていうのを入れたんです。

奈々ちゃん:

え? どういう事ですか?

古賀茂明さん:

つまり、今の憲法には何処を見ても「自衛隊」って書いてないんですよ。でも、こっちは「国防軍を保持する」ってハッキリ書きましょうって。で、「軍隊を持ちますよ」と。これ、書くと書かないとで…、安倍さん達は「いや同じですよね、だって自衛隊って今あるじゃない? 自衛隊って軍隊ですよね?」と。「だったらそれを“持ちます”って書いても何も変わりませんよ」と、こういう風に言うんですけど、これが実は多ウソでですね。

何でか?っていうと、今は仮に「持たなくてもいい」んですね、書いてないんだから。で、「強くなくてもいい」です、別に。

でも「国防軍を保持する」って書いたら、持たなきゃいけない。それから、それは「国民の安全を確保するためのもの」だから、それに十分使えるものじゃなくてはいけない。

そしたら、「中国が強くなったら、やっぱり日本も強くなんなきゃいけない」という風になるんです。だから「強い軍隊を持つ」っていうのは「憲法上の義務」になってくるんですね。

奈々ちゃん:

え、じゃあそれって、戦争が起きるっていう事なんですか?

古賀茂明さん:

ま、起きやすくなりますよね。それから、お金がないじゃない、今、国がね。どうしようかな?、だけど憲法に書いてあるから、じゃあ「年金減らせ」とか「教育費を減らせ」という、こういう議論になってくるという事ですね。

⑩ 基本的人権の制限(憲法12条、21条などの改正)

だんだん、ついに時間が無くなってきましたけれど、まぁ あの 憲法改正ではですね、いろんな自由というのが憲法上認められているんですけれども、それを制限しましょうとか、

⑪ 軍法会議(憲法9条改正)

あるいは、軍法会議を作ってですね、軍法会議をつくると何が起こるかというと、沖縄でよく米軍がね、アメリカの兵隊が、レイプしたりなんかしても、結局アメリカの軍法会議に行くんですね、普通の裁判にかけられないで。

それで、そうすると無罪になったり、すごい軽い罪になるという事なんですけど、「これを日本も作りましょう」と。日本の軍隊で悪いことをした人がいても、ちょっと甘くしてあげましょうというね、そういう会議を作るとかね。

それから、これから多分出てくるのは ⑫ 徴兵制(憲法改正または解釈改憲)

徴兵制って、無理やり軍隊に若い男の人達を連れていくという、ま、戦前はやってたんですけど。それで、あの~ 要するに、いまに人が足りなくなるじゃないですか。だからこれをやらざるを得なくなるんです。

だけど今までは憲法で「苦役の禁止」、苦役って苦しい仕事ね、無理やり奴隷みたいに連れきて「やれ!」っていうのは禁止されているんです、憲法で。

だから「できない」と言われていたんですけど、石破、自民党の幹事長なんかがですね、昔から、「だって自衛隊のお仕事って素晴らしいお仕事なんだから、これを苦役って言っちゃいけないよ」という様な事を言っているので、「立派なお仕事なんだから立派なお仕事をさせてあげます」って言って、「憲法上認めるんだ」という様な、“解釈を変える”というですね、

この ⑤ 集団的自衛権の時も「憲法の解釈を変えよう」というのでやっちゃったんですけど、これ(徴兵制)も「だったら、これだってできるね」というふうに、これから行くと思います。

それから最後は ⑬ 核武装(憲法改正または解釈改憲)(そのための原発推進と核燃料サイクル維持)

「原爆を持ちましょう」と、日本も。

そのためには原発を維持して、原子力の技術を維持して、それから最後、「核燃料サイクル」とか そういうので「プルトニウム」という“原爆の原料”も「作れるようにしましょう」っていう事のためにね、たぶん 今 核を、いやあの、原発を動かしてるんじゃないかなという、こういう事がですね、ず~っと動いているんですね。

奈々ちゃん:

え~ でも何か、平和とまがく… ま逆になる 感じがしちゃったんですけど、いま 私。これを見た感じだと…。

上杉隆さん:

でもね、これ⑨番から⑬番っていうのは これは自民党の憲法改正で、今回の政権の、とは直接は関係ない、これは。だから ⑧番までかな。あ、⑦番までかな。

古賀茂明さん:

今までに ⑧番位までは議論が出てるんですね。

上杉隆さん:

こっち(⑨~⑬番)は自民党!

古賀茂明さん:

でもこれ(⑨~⑬番)はね、安倍さんなんかが ものすごく一生懸命やった話ですので、ま、出てくるだろうなと。

で、要するになんか今までね、1個 1個 議論してたじゃないですか。で、なんかよく分からないんですけど、これだけ全部並べたら、普通に考えると、安倍さんが考えている「美しい日本」というのはなんなのかな?っていうと、列強。

列強というのは、アメリカとかロシアとか中国とか、ああいうふうに、もう 軍事力、力をちらつかせながら、それから武器を世界中に売りながら、で、世界の中で偉そうに振る舞うという、仕切り役になるっていう、そういう…

司会:

「軍事力=美しさ」ってことですか?

古賀茂明さん:

「そういうふうに考えているんじゃないかな?」と、私には見えると、いうことです。

司会:

駆け足でしたけれども、奈々ちゃん分かりました?

奈々ちゃん:

いや すごく分かりやすかったです。でもなんか、あの~ これからの日本がどうなるか?っていうのがすごい不安になってきちゃったんですけど。

古賀茂明さん:

僕はね、やっぱり今の日本で先ほど言ったように、「戦争はしないし、悪いことはしないよ」という、そういう“平和ブランド”っていうのを70年かけて作ったんですよ。だから「それを捨てないで欲しいな」っていう。

上杉隆さん:

私もこれからのこのコーナー、自分のコーナーがどうなるのかすごく不安でしょうがないです。

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