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世界の5大宗教/ジョン・ベレイミー

ジョン・ベレイミー氏が、ヒンドゥー教、ユダヤ教、仏教、キリスト教、イスラム教の複雑な歴史と文化を解説。すべての宗教に共通するのは「根源的な意味を訴えかける点」と「自己を超越すること」だとしています。

(所要時間:約12分)

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動画の内容 (全文書き起こし)
世界5大宗教

いつの時代のどの場所でも 人類はその歴史を通じて問い続けてきました

「我々はどこから来たのか?」

「世界の中での自分の役割は何か?」

「死んだらどうなるのか?」

宗教というのは このような永遠の謎に答えるべく 時間をかけて進化し 発展してきた 信念体系であり ある種の問は 信仰によってしか答え得ないという感覚に導かれていて その元になっているのは

「人間よりも偉大な存在がある」

「我々が応えるべき 高次の力が存在する」

「我々がやって来て そして戻って行く源がある」

といった直感です

ヒンドゥー教

ヒンドゥー教はインドの宗教です 単一の宗教というよりは 関連する様々な信仰や 霊的な慣習を指しています その起源は5千年前 クリシュナの時代にまで遡ります

とても高い徳を持っていて ビシュヌの化身 — 神が人の姿で現れたのだとされています その教えによれば すべての命は因果応報の法則である「カルマ」に従い 人間の仕事は 結果を気に病むことなく社会の中での位置に応じた義務である「ダルマ」を果たすことにあります

そして死んだ時には 新しい肉体へと生まれ変わります 前世でダルマに従い 適切に義務を果たしていれば 良いカルマを得て魂が社会階級を上へと登ることになります

来世での生まれは 現世で何をしたかに応じて決まります この生まれ変わりの輪は「輪廻」と呼ばれます とても聖なる人が良いカルマを積めば この輪から逃れることができます この脱出を「解脱」と言います

ヒンドゥー教は すべては1つであると教えています 宇宙全体は「ブラフマン」と呼ばれる 1つの超越的現実であり ブラフマンは1つですが その中には たくさんの神がいて その役割 外観 形態は 伝承により様々です

ブラフマーは創造神

ヴィシュヌは維持する神で 時に人の姿で現れ

シヴァは変革の神であり また舞踊の神です

ドゥルガーは恐ろしくも保護的な 聖なる母で

ガネーシャは 象の頭を持つ 賢き成功の導き手です

ヒンドゥー教は世界で3番目に大きな宗教です 大半はインドにいますが 信者はどの大陸にもいて 10億人にもなります

西に移動して砂漠や山脈を越え 4千年前の肥沃な三日月地帯に行きましょう

ユダヤ教

ユダヤ教は 神がアブラハムとサラに「メソポタミアを去ってカナンの地に移住するよう」命じたところから始まります

当時の多神教の世界においては革命的な考えである 唯一の真なる神への信仰と引き替えに 彼らは土地と多くの子孫を約束されました

この約束から イスラエルの地と選民がもたらされましたが その土地に居続けて人々をまとめ上げるのは 非常に難しいものとなりました

イスラエルの人々はエジプトで奴隷にされましたが 神は預言者モーセを使って助け出しました モーセは十戒を受け取り 後でさらに何百という掟を受け取りました

彼らは約束の地を制圧しましたが 短い間しか保持できませんでした イスラエルは何世紀にも渡り 多くの軍が往来する岐路に位置していました 紀元70年 ローマ人が首都エルサレムの神殿を破壊しました それにより ユダヤ教は いけにえや神官による「神殿の宗教」から「聖書に基づく宗教」へと変わりました

このため ユダヤ教は その歴史や文献と結びついた シンボリズム 畏敬 深い意味を特徴とする宗教となっています たくさんの聖典がヘブライ語聖書 「タナハ」を作り上げ その深い意味に関する 何百という議論や解釈が「タルムード」にまとめられています

ユダヤ人は日常生活の中に象徴的な意味を見出します 「過越祭」の食事ではメニューのそれぞれが奴隷の身からの脱出の様々な面を象徴しています 成長の重要性はバル・ミツワー あるいは バト・ミツワーの年に達した時に強調され その儀式において 若者は自分の行動に責任を持つことを期待され ユダヤ人の信仰 歴史 文献に 自分の生活を編み込むことを祝います

今日世界には1400万人のユダヤ人がおり うち600万人は第二次世界大戦におけるジェノサイドの恐怖を経て独立したイスラエルに住み 500万人はアメリカに住んでいます

仏教

今度は仏教が生まれた 2500年前のインドに戻りましょう

若き王子シッダールタの話です 彼を身籠もった夜 母親である女王マーヤーが眠っている時に白い象が訪れ 彼女の脇に入ったと言われています 10ヶ月後 シッダールタ王子が豊かな境遇の元に生まれます

若者として守られた環境から飛び出した彼は 自分には隠されていた人々の苦難を目にし その根源を探り始めました

なぜ人は苦しまなければ ならないのか?

我々は何百という生を 生まれ変わらねばならないのか?

最初彼は 問題は物質的な執着にあると考え すべての所有物を捨て さすらう乞食となりましたが それで幸せにはなりませんでした それから音楽の先生が生徒に言うのを耳にしました 「弦を強く張りすぎてはいけない 切れてしまうから しかし緩すぎてもいけない 音が出ないから」その瞬間 彼は 極端を求めることが間違いであると気付きました

贅沢と貧困の中間こそ 賢明であると思えました そして菩提樹の下で瞑想しているときに 他の答えも見つかりました

すべての命は苦しむ運命にある それは他者を犠牲にして満足を求める 利己的な欲望によって生じる 8段階の手順に従うことで欲望を減らし よって苦難もまた 減らすことができる

その日シッダールタは 仏陀 — 悟りし者となりました 唯一のではなく 最初の一人です

仏教の計画は「八正道」と呼ばれ それに従うのは簡単ではありませんが 悟りの境地へと到る道を万人に指し示しています その境地とは すなわち

慈悲

明察

平安

不動の状態です

菩提樹の下から 立ち上がった時から 老いて死ぬ時まで 仏陀は人々に悟りの道を説きました

正しい言葉

正しい目的

現実のものへの集中

他者を愛する心です

仏教徒の多くは神を信じていますが 信仰よりも行動が重要だとされています 今日 世界には10億人近くの仏教徒がいて 主に東アジア 東南アジア 南アジアに分布しています

キリスト教

2千年前 ユダヤの約束の地でキリスト教は生まれました ヒンドゥー教でクリシュナが 「人の姿をした神」とされるように キリスト教ではイエスがそうであるとされ また仏教がヒンドゥー教から出てきたように キリスト教はユダヤ教から出てきました

天使ガブリエルが アブラハムの神により マリアという若い女の元に使わされ 神の子の母となることを伝えます 子供はイエスと名付けられ マリアとその夫ヨセフにより大工として育てられましたが 30歳の時に生ける神の言葉としての公の活動を始めます

敬虔さよりは 公正と慈悲に重きを置き 人々を引き寄せるため 病人を癒し 愛情深く 寛大で 思いやりのある 天なる父のことを教えました そして神の国を示すために みんなを食卓に招き 浮浪者も罪人も聖人も みな一緒に食事しました

彼の型破りな知恵がトラブルを招くのには3年しかかかりませんでした 彼の敵は ローマが彼を捕らえて処刑するように仕向け 民衆扇動家として磔にされました

しかし埋葬されてすぐ 墓が空であることを女達が見つけ その噂が広まって イエスが生き返ったと信じられました 最初のキリスト教徒たちがイエスの復活を記述しイエスのメッセージは真実であるという自信を強めました

そのメッセージとは 「私があなたを愛したように 他の人を愛しなさい」

キリスト教徒は 12月のクリスマスにイエスの誕生を祝い 春の聖週間に その苦難 死 復活を祝います 洗礼式では罪を洗い清めてキリスト教コミュニティに迎え入れ イエスが大工としての人生を捨てた洗礼を思い起こします 聖餐式では キリスト教徒はイエスの体と血として祝福されたパンを食べ ワインを飲み イエスの最後の晩餐を思い起こします

世界には全人口の 3分の1に相当する 20億人のキリスト教徒がいます

イスラム教

イスラム教は1400年前 ある徳の高い男が アラビアの砂漠にある山の洞穴で瞑想した時から始まりました その男は名をムハンマドと言い ここでも 神の使いである ガブリエル アラビア語ではジブリルが現れて アブラハムの神である アッラーの言葉を伝えました

続く数年の間 メッセージが次々と伝えられ 彼はそれを記憶して人々に教えました その言葉は 賢明な知恵や 見事な韻や 不思議な隠喩にあふれていました

ムハンマドは商人であって 詩人ではなかったので 多くの人がその言葉は確かに神の言葉であると認め そう信じた人々が最初のムスリムとなりました 「ムスリム」という言葉は 降参する者 神の意志に従う者 という意味です

ムスリムには 5つの大きな義務があり 五行と呼ばれています

信仰告白(シャハーダ) — ムスリムは公的にアッラー以外に神はなく ムハンマドは神の最後の預言者であると宣言します

礼拝(サラート) — ムスリムは日に5回 メッカの方向に祈りを捧げます

喜捨(ザカート) — ムスリムは財産の2~3%を貧者に施さなければなりません

断食(サウム) — ラマダンの月には日中断食して 意志力と 神への信頼を強めます

巡礼(ハッジ) — 一生に一度 すべてのムスリムは 聖なる都市メッカへ巡礼しなければなりません これは神の前に立って 永遠の命に相応しいか審裁を受けるリハーサルです

23年に渡って預言者に伝えられた「神の言葉」は『コーラン』に まとめられました これは「朗唱文」という意味です ムスリムはコーランが人間にゆがめられていない唯一の聖なる書だと信じています また多くの人が アラビア語で書かれた最高の文芸作品であると考えています

イスラム教は世界の15億のムスリムが信じる 世界で2番目に大きな宗教です

宗教はそれが存在する限り 文化としての側面を持ち その慣習には無数のバリエーションがありますが すべての宗教に共通するのは 根源的な意味を訴えかける点です 空しい虚栄を越え 存在の低俗な現実を越え 罪や 苦しみや 死を越え 恐怖を越え 自分自身を越えた意味です

引用元:YouTube

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