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報道ステーションを降板させられた理由/古賀茂明さん「“I am not Abe”の発言以降、報道局長から“4月以降は絶対出すな”という厳命が下った」

2015年2月25日に日本外国特派員協会で行われた、「イスラム国による人質事件以降、政権批判を自粛する空気が国会議員、マスメディアから日本社会まで支配しつつある」ことへの警告を発するための記者会見において、賛同者として参加した古賀茂明(こがしげあき)氏が、報道ステーションを降板させられた経緯と理由について説明しています。

(所要時間:約18分)

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動画の内容 (古賀茂明氏の発言部分・書き起こし)
報道ステーションを降板させられた理由を語る古賀茂明さん

え~っとですね、あの~、さっき私が申し上げたとおり、何が起きているか?というとですね、政権は、常に まぁ マスコミをコントロールしようとするんですね。それは あのー 各国の政権でも同じだと思います。で、日本の場合いくつか特徴があってですね、ひとつは、あの 記者クラブ制度というのがあるんですね。

そして、あの、ほとんどの まぁ 大手の新聞やテレビ局というのはですね、必ず各役所、あるいは自民党のクラブとか民主党のクラブというような形で、それぞれの組織ごとに、え~ 記者クラブというのがあって、そこに所属をしていると。そしてそこに所属をするとですね、その組織が行う記者会見に参加できる。逆に言うと、「その外にいる人は、そこから排除される」 そういう仕組みに まぁ なっています。

従って、えー そのクラブに居るとですね、大体、周りの人たちといつも一緒にいますから、まぁ どの会社が何をしようとしているのかというのが、お互いに皆、え~ まぁ かなりの程度、その組織から出てくる発表、公式発表に依存しながら記事を書く という、あの~、仕組みになっています。

そうするとですね、え~ 結局 あの 現場の記者というのは、そこの記者クラブの中で、ある程度協調的な行動を取っていかないと、その政府の組織とかですね、そういうところから情報を非常に得にくくなる。1社だけ特ダネが書けなかったというようなことが起きると、いう あの~ そういう仕組みに陥るわけです。

で、そうするとですね、そこの現場の記者がですね、あまり政府に悪いニュースをですね、まぁ「書きたくなくなる」というのがひとつ。

それから、例えば あの~ 官邸とかですね、あるいは自民党の あの~ (聞き取れず)のクラブとかで取材している記者から見るとですね、その あの 自分が所属している会社の新聞とかですね、あるいはテレビがですね、政権批判をした場合に「自分が取材をしにくくなる」と、いうことを心配することがあります。

それで、これは特にテレビ局に非常に強いんですね。テレビ局では、あの 自分が書いた記事がそのまま、あの 例えば政治部の記事とか経済部の記事となるということだけじゃなくて、報道ステーションのニュースになる、23のニュースになるという事が起きるんですけれども、そこのトーンがですね、非常に政府に批判的だと、せっかく その たとえば自民党やですね、官邸では、まあ官房長官とかですね、自民党の幹部から「せっかくいい情報を教えてやったのになんだ」ということを日常的に その 文句を言われるようになる。

そうすると、自分が将来取材をしにくくなるということで、今度は番組に圧力を、今度は、その、記者がかけるようになると。経済部、政治部が、「そんなことをニュースでやられると、自分たちが取材しにくくなるから そこまで書かないでくれ」と。これが毎日行われているんですよ。

で、そういう戦いがですね、日夜会社の中で行われているとですね、番組を作る人たちはですね、もう面倒臭くなっちゃうんですね。もう時間との競争で仕事をしています。もう、1時間以内、2時間以内に、ビデオをまとめなくちゃいけない、ナレーションを作んなくちゃいけないという時にですね、政治部とか経済部からいちいちチェックがきてですね、「これをやめろ あれをやめろ」あるいは「こういう風に書け」ということが、どんどん圧力としてかかってくるので、それに対応していく時間というのがものすごくロスになるので、そんなことになるんだったら最初から、そういうクレームがこないように書こうと。それが仕事をスムーズに進める まぁコツだと、いう様なことになります。

もう一つですね、もう一つ あの 今の政権の、今の状況で特徴的なのは、あの~ 各社のトップがですね、「安倍政権に擦り寄っちゃってる」っていう状況があるんですね。これは あの~ 過去には非常に珍しい、過去と比べるとですね、珍しい状況だと思います。

で、トップがですね、安倍政権支持だっていうことが明確になっているとですね、当然その下の役員クラスとかですね、そういう人たちは まぁ その サラリーマンですので、あんまり安倍政権に逆らわない方が出世できるなという、その 報道とか何とかというのとは全然違うレベルでですね、安倍批判を控えたいという風になります。現場じゃなくて上の方が。

そして、その結果ですね、下の方はどう考えるか?っていうと、今までは例えば政権からいろんなクレームが来た時にですね、「そんなのほっとけ」ということができたんですね、ある程度。

要するに「自分たちは正しいと思った事を報道すればいいんだ」という、一番当たり前の報道の姿勢というのが取れたんですけども、それが、だんだんですね、え~ それをやるとですね、「上から怒られる」ということが起きました。

たとえば、私が「I am not Abe」ということを発言した時に何が起きたかといったら、プロデューサーが報道局長とかですね、政治部長に呼ばれて吊るし上げになるんですね。で、そんなことを年中やられたらですね、仕事にならないわけです。そういうことが起きた。

それは何故かというと、トップが安倍に擦り寄っているから。トップが別に「いや あの 中立だ」ということが分かっていれば、その 政権からクレームがきても「そんなの言っている事がおかしいから無視すればいい」それで済むんですけれども、トップが安倍指示だということがハッキリ分かってる、まぁ 一緒にご飯を食べに行ったりゴルフしたりして、あの 携帯電話の番号をもらって喜んでいるという、あの会長がいるんですね、実際に。(笑)もう驚くべきことですけれども、そうなっているとですね、もう下の方は、戦おうと思っても戦えない状況になってしまっているという事です。

質問:

ひとつ追加の質問なんですけれども、古賀さんのケースも今後の日本について非常に重要なケースだと思いますので、この場において、報道ステーションのほうは どういった立場で幕切れになられたのか?そして、どういった理由が言われているのかについて、もしこの場で言っていただければ… お願いします。

古賀:

ええとですね、これは あの 間違えるとですね、色々と あの~ 大変なことが起きますので、これは あの 怒られるといってもテレビ朝日から怒られるだけなので、菅さんに怒られるわけではないので、あんまり怖くはないんですけれども、え~ 正確に言うとですね、私とテレビ朝日の間で、特に 何て言うんでしょう「年に何回出演してください」という契約があるわけではありません。

ですから、テレビ朝日の立場から言えば、「その時その時でお願いをしているので、別に、え~ 何かクビにするとかそういうものではない」ということ ですけれども、私が聞いているのはですね、もちろん その~ じゃあ「来週誰を呼ぶのか」「来月誰を呼ぶのか」というのは、まぁ 各番組のプロデューサー中心に決めるわけですが、私の場合は、ちょっといろいろ忙しいので、3ヶ月ぐらい先まで決めるんですね。

今まで ですから、基本的には「毎月1回、出てください」という話がベースにあって、じゃあ具体的な日程は まぁ2ヶ月3ヶ月先に まで決めましょうということだったんですけれども、まぁ明確にですね、今のところ、去年(※2014年)から「報道局長は私の出演を嫌がっている」と いう話があったということは聞いておりましたけれども、もうこの間 1月23日の発言以降はですね、「4月以降は絶対出すな」という厳命が下っているという風に、まぁ 私は報道局長に直接言われていないので、直接聞いてみたいなとは思いますけれども、そういう風になってます。ま、それは、もちろんトップの意向を反映しているものだというふうに私は理解しております。

あの補足しますと、なぜ4月からか?というと、3月まで もう日程が決まっていたんですね、私が出演するという。あの 3月は 6日と27日に出演する予定ですけれども、まぁ さすがにそれをキャンセルすると、おそらくみなさんから あの 「非常に大きな批判が出るだろう」ということで、4月以降決まっていなかったので、まぁ「4月以降出演禁止」と、いう事だと思います。

あの テレビ朝日の昨日(※2015年2月24日)の社長会見では、えっと まぁ 記者の方から聞いたんですけれども、私の出演について「別に何も決まっていることは何もない」というふうに社長はおっしゃったそうですし、それから、「官邸からは、一切 圧力を受けているとは承知していない」というふうに、あのー、中で聞かれてもそういう風に言い張ったそうです。

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