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難航するTPP “新薬” 問題 米政府の背後に製薬業界と医療保険業界=「医産複合体」/報道ステーション(堤未果さんの解説部分・全文書き起こし)

2015年7月25日に放送された、報道ステーション「TPP 残された課題/“新薬”問題 アメリカの思惑は」を紹介します。

(所要時間:約6分)

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動画の内容 (堤未果さんの解説部分・全文書き起こし)
製造業・農業というだけではなくて、TPPは医療の分野もしっかり見ていくべき

製薬業界と医療保険業界、これ「医産複合体」と呼ばれるんですけれども、非常に巨大です。

で、これはもう ほとんどアメリカの政治をコントロールしていると 言ってもいいぐらい、もう 80年代以降 巨大化してしまったんですね。

で、これは3つやり方があって、1つは政治献金。もうたっぷり共和党・民主党 両方に献金します。

それから、ワシントンに大量にロビイストを送り込む。

そして3つ目は、業界の中の人間を、政府の内部に送り込んで、業界に都合が良い法律を作らせて、法律ができたらまた業界に戻っていく。

で、その時 “回転ドアをくぐる”と言われているんですけれども、「政治献金」「ロビイスト」「回転ドア」、この3つで医産複合体が政治に影響力を駆使していると。こういう状態になっています。

▶ 一番狙っているのは、「知的財産所有権」の保護強化

TPPは関税撤廃ですとか、自由化して開いていくというイメージが強いんですけれども、こと「医療」に関してはですね、これは「知的財産所有権」を強化していくと。で、業界の権利の保護を強めていくと。で、これ(自由化とは)対極にあるんですね。

開いていくのではなくて、閉じていく。で、最終的には「独占的な状態にしたい」ということになります。

例えば、薬の特許期間をできるだけ引き延ばして、安いジェネリック薬が出られないようにして、新薬を高い価格のままずぅ~っと売り続けたいと。で そうすると もちろん 製薬業界は利益はあがりますけれども、安い薬に簡単にアクセスしたい患者さんたちは困ってしまうということで、まぁ あの 途上国だけじゃなくてですね、これは先進国からも、えー 懸念する声が非常にあがっていると。

で まぁ そうは言っても、業界の意向を受けてアメリカ政府は交渉していますので、ここはなかなか譲ることはできないと、いうところなんですね。

▶ もうひとつ懸念されるのは、TPPには「ISD条項」というものがあります。

で これはどういうものか?というと、加盟国に投資をしている投資家や企業が、その国の国内法、法律、そういったものが「商売の邪魔になるな」と思った時に、その国の政府を訴えて裁判を起こして、裁判に勝ったらそのルールをひっくり返すことができるという、そういうものなんですね。

医療に関しては、非常にこれ、ISD(条項)を使われたら、あの~、リスクがあるなということで、懸念事項のひとつになっています。

ですから、製造業・農業というだけではなくて、TPPに関しては「医療」の分野、これもしっかり見ていくべき分野だと思っています。

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