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川内(せんだい)原発差し止めを却下。司法判断わかれる“再稼動”/報道ステーション

2015年4月22日に放送された、報道ステーション「川内原発差し止めを却下 司法判断わかれる“再稼動”」を紹介します。

(所要時間:約9分)

動画の内容 (政治学者:中島岳志氏の解説部分・全文書き起こし)
古館キャスターと中島岳志氏

少し別の道から考えてみたいんですけど、あの~、私自身は、保守の考え方っていうのは、とっても大切な考え方だと、ずっと考えてきたんですね。

で、保守思想っていうのは、近代主義っていうのに疑問を持ったところからスタートするんですけれども、近代主義っていうのは、「人間には理性がある」その「理性に基づいてやっていけば」、その合理主義っていうのですけれども、「世界はどんどんどんどん、明るい未来へと進歩していくんだ」っていう、これ進歩主義の考え方 これが近代主義だと思いますが、これに対して、「え?ほんとかよ?」って考えたのが保守なんですね。

で、どう考えたのか?っていうと、やっぱり人間ってどうしても不完全で、間違っちゃったりとか、人のことに対して嫉妬してみたりする。まぁ そういう不完全な存在だっていう事をまずは「わきまえよう」。とするならば、人間の まぁ 理性に対する思いあがり みたいなものをいさめて、その 理性を超えたですね、多くの人たちが築いてきた、歴史の風雪に耐えてきた、常識とか、経験値とかを大切にしていきましょうと、こういう考え方なんですね。

で、こういう考え方からすると、原発っていうのは どういう風に映るのか?なんですけども、やはり 原発っていうのは、保守思想から見るならば、人間ですから、絶対に完全で、絶対に安全な原発は作れないんですね。なぜなら私たちは不完全だからです。

とするならば、です。原発で起きた、その 事故っていうのは、計り知れない大きな規模でですね、被害をもたらすわけですよね。例えばですね、これは人命だけの問題ではなくてですね、ある一定の土地がですね、根こそぎ住めなくなってしまったり、そこでず~っと培われてきた慣習とか伝統も、根こそぎ失われる。場合によっては、国土のかなりの部分を失ってしまったり、国家存亡の危機に立たされたり、それぐらいの事故が まぁ 考え得るのが原発事故なわけですよね。

で、こういうものに対しては、過剰な技術として、一定程度ですね、あまりやり過ぎないのが良いと考えるのが、私は保守思想というものではないかなぁという風に思うんですね。

ですから、むしろ 何か 保守と考えている人たちが、この「再稼動へと前のめり」なところにですね、私はすこし、思想的には疑問を感じるなぁ~という風に思います。

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