2015年1月22日 金融・経済 タグ: そもそも総研, 原発問題, 古賀茂明(こがしげあき), 総括原価方式
そもそも東京電力はナゼこれほどまでに黒字なのか?/そもそも総研
2015年1月22日に放送された、そもそも総研「そもそも東京電力はナゼこれほどまでに黒字なのだろうか?」を紹介します。
(所要時間:約21分)
動画の内容 (古賀茂明氏の解説部分・全文書き起こし)
玉川さん:
今 東京電力っていうのは、原発動いてないですよね? だけど、経常黒字なんですよ。それも震災前ぐらいのレベルの経常黒字なんですね。何でこういうことになってんですか?
古賀氏:
電力会社っていうのは、もともと「総括原価方式」というので守られてます。もう掛かったコストは全部料金に乗せられるし、利益もその上に乗せられる、という仕組みで、コストを削ろうという意識が全くなかったんですね。ですから、ものすごい、ある意味 贅肉(ぜいにく)を、こう抱え込んでいるわけですね。
原発が動かなくなった時にですね、「いやぁもう原発動かなくなったので、こんなにコストがアップして、もう大赤字になります」という計算をするわけです。
実際には、その贅肉の部分がですね、自分たちが思っていた以上にはるかに大きくてですね、そこをじゃあコストカットしてみましょうと、一生懸命やってみたらですね、原発が止まった分、そのコストっていうのを上回る贅肉カットっていうのが出来ちゃったと。で、気が付いてみたら黒字になっていると。
玉川さん:
原発ってもう動かさなくていいんじゃないですか?
古賀氏:
と思いますよ。で、しかも、一般の企業はもう何十年もず~っとコストカットをもう一生懸命やってきているわけですね。で、電力会社はそれ一回もやってない。じゃあその分を、1年で全部ね「改善しろ」2年で「全部やれ」っていったって無理な話ですよ。
「まだまだ贅肉がある」という可能性があるんですね。
ナレーション:
東京電力は原発事故の翌年、郵政改革を手掛けた 宇田左近(うださこん)氏を中心に、コスト削減を行うための「調達委員会」を設置しました。この第三者機関が、さらなる大きなコストカットを可能にするかもしれないといいます。
玉川さん:
もっと(コスト削減が)大きくなれるんであれば、「値上げすら必要なかった」っていう可能性も、少なくともね、「もっと値上げの幅が小さくて良かった」ということも有り得るかもしれませんね?
古賀氏:
まあ有り得ますね。
玉川さん:
そうすると、他の電力会社だって「原発を動かさないから赤字」っていう論理が通用しない可能性があるんじゃないですか?
古賀さん:
そうですね。少なくとも東京電力でやれたことはですね、他の電力会社でも出来るはずですから。ただそれを「頑張って下さいね」って言うだけでは、どうしても出来ないので、第三者が入ってやらなければいけない。
ナレーション:
他の電力会社でも、東電と同じように大幅なコスト削減を行えば、「原発の再稼動や料金の値上げも必要なくなる可能性がある」と、古賀氏は指摘します。