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BS世界のドキュメンタリー「巨大ピッグ・ビジネス ~大規模養豚工場の実態~」

2009年8月31日に放送された、BS世界のドキュメンタリー「巨大ピッグ・ビジネス ~大規模養豚工場の実態~」を紹介します。

(所要時間:約49分)

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動画の内容

世界の食肉産業が急激にグローバル化し、大量生産を始める中で歪みが生まれ、EU新規加盟国ポーランドでは小規模農家の経営を、アメリカの巨大豚肉会社が圧迫している。従来の食糧生産システムの崩壊と巨大企業による寡占化という現実、そしてその歪みにスポットをあてたドキュメンタリー。

ポーランドは、EU加盟後、人件費などの安さを武器に大量の食品をヨーロッパに輸出するようになっている。そして、グローバル化の流れの中で、従来の小規模農業から、大規模農業への転換を試みている。その流れの中でポーランドのポメラニア地方に、世界最大と言われる豚肉会社が乗り込んできた。

この会社はアメリカのノースカロライナに巨大な豚肉処理場を所有。そこでは豚の排泄物の処理をめぐって近隣住民が環境被害を訴えたため、1991年処理場からの排水の処理方法の規制が強化された。こうした中、会社は新たな工場建設地を海外に求め、ポーランドにねらいを定めた。そして、ノースカロライナでは規制を受けることとなった同様のシステムを使った豚肉処理場の建設を目指した。一部の国民からの懸念は表明されたが、食糧生産のグローバル化に乗り遅れまいと、ポーランド政府は工場の建設を容認する。

番組の制作者は2003年から2008年にかけ、ポーランド同地方を訪れ、周辺への影響を調査した。工場周囲には、悪臭がたちこめ、池は汚れ、豚の死骸が浮いていることもあったという。付近の住民は皮膚炎や体調の悪化などの様々な被害を訴えるようになる。地元自治体が第三者機関に依頼し、大気汚染の調査をしたところ、目や鼻、のどにアレルギー症状を引き起こす物質が基準の25倍の濃度で検出された。工場側のポーランド代表は、「EUの環境基準は遵守していて、処理場内では基準を上回る有毒物質は検出されていない」と表明している。

ポーランド政府は、「小規模農家が支える非効率な農業を再編するためにも、工場の誘致は必要だ」と主張しているが、工場のある村の村長は、「この誘致が村の美しい観光資源をも脅かしている」と語る。その一方で豚肉会社の環境担当副社長は、「消費者に安価な食糧を安定的に供給するためにはこうしたシステムは必要だ」と正論を主張する。

食のグローバル化の中、大量生産の現場で起きている複雑な事象の一端をとらえる。

原題:Pig Business
制作:Price of Progress Productions (イギリス 制作:2009年)

引用元:BS世界のドキュメンタリー

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